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『帰ってきたヒトラー』

先週、オランダ議会下院選挙で中道右派とイスラム系移民排斥や反欧州連合(EU)を唱える極右・自由党が戦った結果、与党の中道右派が勝利を収めました。欧米諸国でも日本でも排他的な思想が大衆に受けているようですが、これが優勢にならないことを祈ります。アメリカではトランプが大統領になる時代ですから、どうなるか分かりません。

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トランプ大統領が生まれる2年前に製作された映画ですが、今この映画を観てみると、なんとも言えない気分になります。映画撮影当時はブラックジョークだったことが、実際に起きてしまうわけですから。

ヒトラーが現代のドイツに蘇るという設定の(主人公の衣装や彼の部屋に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のポスターが貼ってあることからもタイムスリップしたと示唆する)話です。最初は笑って観ていたのですが、だんだんと笑えなくなります。主人公のガールフレンドの祖母(実際にヒトラーを経験した痴呆症の高齢ユダヤ系女性)がヒトラーを見て当時の記憶が蘇り「みんなはじめは笑ってた でも許さない」と言います。胸に刺さります。そうなんでしょうね。みんな最初は笑ってたのかもしれません。それがあれよあれよという間に民衆の支持を得て、取り返しのつかない結果を引き起こしてしまったのでしょう。私も最初はトランプを見て笑っていた一人です。だって、あの人は「お騒がせタレント」という認識だったし、「この人、またこんなことして・・・」とお騒がせ芸の一部だと思っていたのですから。それがまさか本当に大統領になるとは・・・。

例えば、海外に外国人として住むなど社会の中で少数派としての苦痛を経験すれば新たな視点を持つことができるのでしょうが、多数派として恩恵を受けている限りは少数派の気持ちを理解することは難しいでしょうね。
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『キャロル』

先週の『ドクターX』では黒木メイサと泉ピン子がステキなファーコートを着用。
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両方ともロシアンセーブル。衣装提供はエンバ。でも、セレブ感やマダム感が足りません。

一方、『キャロル』でのケイト・ブランシェットは終始このミンクコートを着ています。
carolminkcoat3.jpg(source)

ケイト・ブランシェットから浮かぶ言葉は「富裕層」。この人が演じるからこそ、そう見えます。いくらミンクよりも高価なロシアンセーブルを着ていても、泉ピン子という庶民的なキャラクターが演じると「富裕層」ではないのです。セレブ感やマダム感が不足するのです。逆を言えば、ケイト・ブランシェットは泉ピン子よりも上手にラーメン屋「幸楽」の嫁を演じることはできません。

ケイト・ブランシェットの華のある存在感、貫録、艶があってこその、この役。
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恋に揺れ動き悩むものの、若い子とは違いオトナの対応をする主人公キャロル。そこに優雅さや清々しさすら感じられるのは、主人公が強い自分を持って人生の決断をするからでしょうか。それとも、ケイト・ブランシェットが演じるからでしょうか。どちらにしろ、彼女の艶めかしく内側から溢れる色香無しには、この作品は成りたちません。甘く切ないオンナの恋物語です。


『Embellir』

ファッションデザイナーに密着したドキュメンタリーフィルムはいくつかあります。カール・ラガーフェルド、アルマーニ、ヴァレンティノなど海外の有名デザイナーに密着し、そのクリエイティヴィティの源泉やモノづくりに取り組むこだわりなどを見せてくれるので、非日常的な覗き見を堪能できます。ディオールのデザイナーを務めたラフ・シモンズに密着した『ディオールと私』では、デザイナーの苦悩や苦労ばかりが記憶に残り、「ああ、あの人はディオールのデザイナーを辞めてよかったんじゃない」と思わせるような作品でした。

日本のデザイナーを追うドキュメンタリーフィルムは今までに存在したのかどうか分かりませんが、芦田淳の娘である芦田多恵を追ったフィルムが10月に公開されており、観てみると、とても見やすく心地よい作品でした。高揚感や緊張感を際立てるBGMも分かり易く、スッと入り込める作りです。ラフ・シモンズのような悲壮感すら漂う映像ではなく、自分の立ち位置でしっかりと生きている人間という感じがします。



「芦田淳の娘」という外部からの認識に対抗してきたからか、顔が若干、攻撃的にも見える時がありますが、父の名を受け継ぐよりも自身の名を冠したブランドを立ち上げるほうがよかったのでしょうね。「JUN ASHIDA」に慣れ親しんだ世代から見ると、既に確立された大きなブランドを引き継いでいけばいいのに、なんて思うでしょうが、「父とは別の人格を持つ人間」という個性にこだわった末の選択かもしれません。ビッグネームの親を持ち、「2世」と呼ばれる子はそういう悩みを持つのでしょう。「JUN ASHIDA」とは少しテイストが違うので自分のブランドを作り、「JUN ASHIDA」はあのテイストを継承できる外部からのデザイナーに引き継がせるという選択が、それぞれが生き残るためにベターな解決法かもしれません。

これを観ると、来年3月20日から開催される東京コレクションで「TAE ASHIDA」どういう作品を発表するか楽しみになります。「ああ、あのドキュメンタリーに出ていたあの人達が奔走して作ったんだろうな」という新たな視点が生まれます。ちなみに、東京コレクションで発表したい方は応募締切が12月16日ですのでお早めに。

『ジェイソン・ボーン』

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ジェイソン・ボーンは私より2つ年上、それを演じるマット・デイモンは1つ年上。同年代だし、マット・デイモンが好きだし、第1作からずっと観ているこの映画シリーズ。世相に合わせて内容も少しずつ変わっていますが、変わらないのは観終わると元気が出てくること。よし、強くしぶとく生きて行こうと。その強気も長くは続かないかもしれませんが、それでも一時であれ、私には効果がある映画です。

公開初日の朝一番から観てきたのですが、とにかくお金がかかっていることに圧倒されます。数百人というエキストラ、度肝を抜くカーチェイス。戸田奈津子の字幕という点を除けば満点の映画です。終盤のラスベガスでの装甲車のカーチェイスはそれは見事なもので、目抜き通りを封鎖して大暴走し、最終的には解体前のリビエラホテルの建物に突っ込むという撮影は楽しかったとインタビューでマット・デイモンが答えています。(source)

いつも撮影地が気になる私は、エンドロールで撮影場所を確認するのですが、今回初めてTenerifeという地名を見ました。スペイン領カナリア諸島テネリフェ島のことで、どうやら、映画撮影のための税控除を35%も優遇してくれるということで近年人気なのだとか。アテネ市街での動乱やカーチェイスシーン、ベイルートのテロシーンも全てこの島内での撮影だそうです。(source)




ちなみに、アイスランドの首都レイキャビクにあるとされるハッカーのアジトのシーンでは、なぜか日本語が聞こえてきます。エンドロールで確認するとハッカーの役で「Kaya Yuzuki」という日本人らしき名前を発見。調べてみると、やはり日本人女優さんでした。こういう大作に日本人役で出演できるなんて素晴らしいです。これからも頑張ってほしいです。

『シン・ゴジラ』

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総監督を務めた庵野秀明の作品は観たことありません。監督を務めた樋口真嗣の作品も観たことありません。石原さとみが演じる映画もドラマも観たことありません。そもそも、ゴジラの映画は観たことありません。そんな私が「映画館で観よう」と思い、満足して帰ってきた映画です。綺麗な構図のシーンがいくつもありました。独特のカメラワークもありました。明朝体で状況説明する字幕もありました。あれが監督の特徴なのでしょうね。

前半の「巨大不明生物」に対応するための会議が笑えました。もし、役所の会議に出席して「アホらしー、めんどくせー」と思った経験がある人がいたら、その人は共感してもらえると思います。行政の意思決定は組織上あのようになるものだ、と言われればそうなのですが、つい数日前にそういう不毛な会議に出席して「ああ、時間のムダ」と改めて幻滅したばかりだったので、その点に強く反応してしまいました。もちろん、民間企業の中で行われる会議でもああいう状態になる場合もありますが。

この映画、大地震と大津波に続きメルトダウンが起き、水蒸気爆発によって原子炉建屋が破壊されて放射能が漏れ、何十万人もの避難者を生むという想定外の事故が起きた「3.11」以前の日本人にはピンと来ない話でしょう。また海外の人にもこの危機感がピンと来ないでしょう。そう考えると極めてドメスティックで内向きな映画ですが、それでも、今の日本に生きる私にはとても興味深く楽しめる映画でした。あと、年代層については、10代や20代の人よりは中年のほうが楽しめると感じます。「会議あるある」的な部分も含んで。

ヒロインの石原さとみの英語力が壊滅的などとネットで書かれていますが、彼女なりに一生懸命に頑張ったのでしょう。英会話学校イーオンのCMに出演しているくらいですから。彼女に罪はありません。キャスティングした側の失敗です。大統領候補を目論む日系3世のアメリカ人が正しく「R」の発音ができないということはあり得ないと思います。私が監督だったら、アジア系アメリカ人の女優(もしくはハーフか帰国子女等で英語が母国語並みの人)を出演させて、彼女のセリフは全て英語にして字幕を付けるでしょう。そしてそれと会話する日本人俳優も頑張って英語で演技してもらいます。そのほうが海外での配給を考えるとより良い効果をもたらす気がします。大統領候補を目論むという設定をやめれば、すみれちゃん(石田純一の娘)でもよかったのに。

ちなみに、最後に流れるエンドロール。私は最後まできっちり見て席を立つ派です。本編が終わるとエンドロールを見ずに席を立つ人、その途中で席を立つ人、いろいろいます。でも、今回私が見た回では、全員、最後までエンドロールを観終わって席を立ったのが印象的でした。
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