ザ・ラストクリスマス

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私が自分で買った最初の洋楽レコードはマドンナの『Like a Virgin』、2番目はワムのこの『Make It Big』のピクチャーレコードでした。通常の黒いレコードとは違い、こうやって二人の写真がレコード上に印刷してあるタイプものです。引っ越しなどでレコードプレイヤーを捨てた際に全てのレコード類を廃棄したのですが、今となっては惜しいことをしたなと感じます。

今日のお昼のニュースでジョージ・マイケルの訃報を知り、予想以上にショックを受けました。事件や事故の可能性はなく、心不全だとのことです。3か月前の写真を見るとかなり太っているようなので、そういう健康上の理由かもしれません。

このレコードを見ると、中学生の頃に見ていた風景が次々と脳裏に浮かび上がってきます。あの頃の記憶が蘇ってきます。こうやって時代は移っていき、為す術もなく受け入れるしかありません。

今年のクリスマスが彼にとっては「The Last Christmas」になってしまいました。
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『キャロル』

先週の『ドクターX』では黒木メイサと泉ピン子がステキなファーコートを着用。
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両方ともロシアンセーブル。衣装提供はエンバ。でも、セレブ感やマダム感が足りません。

一方、『キャロル』でのケイト・ブランシェットは終始このミンクコートを着ています。
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ケイト・ブランシェットから浮かぶ言葉は「富裕層」。この人が演じるからこそ、そう見えます。いくらミンクよりも高価なロシアンセーブルを着ていても、泉ピン子という庶民的なキャラクターが演じると「富裕層」ではないのです。セレブ感やマダム感が不足するのです。逆を言えば、ケイト・ブランシェットは泉ピン子よりも上手にラーメン屋「幸楽」の嫁を演じることはできません。

ケイト・ブランシェットの華のある存在感、貫録、艶があってこその、この役。
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恋に揺れ動き悩むものの、若い子とは違いオトナの対応をする主人公キャロル。そこに優雅さや清々しさすら感じられるのは、主人公が強い自分を持って人生の決断をするからでしょうか。それとも、ケイト・ブランシェットが演じるからでしょうか。どちらにしろ、彼女の艶めかしく内側から溢れる色香無しには、この作品は成りたちません。甘く切ないオンナの恋物語です。


ヘンタイ・クラーナハ

12月2日にBS日テレの『ぶらぶら美術・博物館』で紹介され、昨日はNHKの『日曜美術館』で紹介された、国立西洋美術館で開催中の「クラーナハ展」。

私は初めて知った画家ですが、マニアックな作品をいくつも残しています。たとえば、この作品。『ホロフェルネスの首を持つユディット』。男の首を狩ってこの澄ました表情。不自然で怖い女です。
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とても刺激的な内容の絵ですが、これを芸術家の森村泰昌がオマージュした作品がこちら。
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オリジナルがオリジナルなら、こちらもこちら。ステキ過ぎて言葉になりません。マニアが喜びそうな作品。というか、私、この人の作品が好きで、「あらあら、またやっちゃったのね」と満足げに微笑んでしまいます。

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『ぶらぶら美術・博物館』でも『日曜美術館』でも、さんざん「変態扱い」されてしまうこの画家。まさか500年後に日本のテレビ番組で「変態よばわり」されるとは思わなかったでしょうが、でも、それが画家本人の意図をくみ取っていれば本望でしょう。1月まで上野で、1月から4月までは大阪で開催されます。

ところで、「変態」という言葉は海外でも使われるようです。こないだ観た『The Internship』というDVDのワンシーン。
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字幕は日本語で「ヘンタイ」ですが、実際には「mania」や「fetish」でもなく英語で「hentai」と言ってました。この女の子が言及しているのは春画のことでしょうか。日本には「センタイ物」も「ヘンタイ物」もいろいろ取り揃えております。

『Embellir』

ファッションデザイナーに密着したドキュメンタリーフィルムはいくつかあります。カール・ラガーフェルド、アルマーニ、ヴァレンティノなど海外の有名デザイナーに密着し、そのクリエイティヴィティの源泉やモノづくりに取り組むこだわりなどを見せてくれるので、非日常的な覗き見を堪能できます。ディオールのデザイナーを務めたラフ・シモンズに密着した『ディオールと私』では、デザイナーの苦悩や苦労ばかりが記憶に残り、「ああ、あの人はディオールのデザイナーを辞めてよかったんじゃない」と思わせるような作品でした。

日本のデザイナーを追うドキュメンタリーフィルムは今までに存在したのかどうか分かりませんが、芦田淳の娘である芦田多恵を追ったフィルムが10月に公開されており、観てみると、とても見やすく心地よい作品でした。高揚感や緊張感を際立てるBGMも分かり易く、スッと入り込める作りです。ラフ・シモンズのような悲壮感すら漂う映像ではなく、自分の立ち位置でしっかりと生きている人間という感じがします。



「芦田淳の娘」という外部からの認識に対抗してきたからか、顔が若干、攻撃的にも見える時がありますが、父の名を受け継ぐよりも自身の名を冠したブランドを立ち上げるほうがよかったのでしょうね。「JUN ASHIDA」に慣れ親しんだ世代から見ると、既に確立された大きなブランドを引き継いでいけばいいのに、なんて思うでしょうが、「父とは別の人格を持つ人間」という個性にこだわった末の選択かもしれません。ビッグネームの親を持ち、「2世」と呼ばれる子はそういう悩みを持つのでしょう。「JUN ASHIDA」とは少しテイストが違うので自分のブランドを作り、「JUN ASHIDA」はあのテイストを継承できる外部からのデザイナーに引き継がせるという選択が、それぞれが生き残るためにベターな解決法かもしれません。

これを観ると、来年3月20日から開催される東京コレクションで「TAE ASHIDA」どういう作品を発表するか楽しみになります。「ああ、あのドキュメンタリーに出ていたあの人達が奔走して作ったんだろうな」という新たな視点が生まれます。ちなみに、東京コレクションで発表したい方は応募締切が12月16日ですのでお早めに。